林浩平の《饒舌三昧》

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zoom RSS 「放送大学」、お陰さまで好評です、特別上映会を+ROSASのFASE鑑賞しました

<<   作成日時 : 2017/05/04 23:27   >>

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 春ふかき ぬばたまの夜の 枕もと    (飯田 蛇笏)

 重厚な詠みぶりの蛇笏にしては素直な一句です。ただ詞書によると、妻を亡くした友人を想っての作とのこと、なるほど、大きい喪失感のなかにいるひとには、春の夜の闇はいっそう深いでしょう。五月となって春闌けた感じが強いです。

 さてさて、お知らせしていました「放送大学」の特別講義「文人精神の系譜ー与謝蕪村から吉増剛造まで」、5月1日の月曜日19時より無事にオンエアが終了しました。放送後から諸方より感想を知らせていただいています。ありがたいことです。

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 皆さんからの言葉は、「吉増さんの大事な発言をうまく引き出せていましたね」とか、「文人の新しい定義がよくわかりました」とか、「蕪村や佐藤春夫の世界を改めて探ってみます」とか、「京都ロケの緑の風景が目に鮮やかでとても綺麗でした」とか、ありがたいものばかり。「林サンが詩人らしかったです」というご意見もいくつも頂戴し、これは我が意を得たり、です(笑)。

 NHKの先輩プロデューサーからは、「通常の特別講義には珍しくロケの場面をうまく活かしたもので、また唐木順三も読み返しています」、とあって、これも感謝です。ただ、1日のオンエアを見逃されたかたもおられるでしょう。ではぜひ次回の放送をご覧くださいな。次回は、来月6月11日(日)の20時からです。「放送大学」、関東圏にお住まいのかたは、地上波の12チャンネルで、それ以外の地域にお住まいのかたは、BSの231チャンネルでご覧いただけます。放送日が近くなったら、またご案内しましょう。

 さて、ここでこの番組に関連しての特別上映会のお知らせがあります。というのも、去年の9月から11月にかけて、6日間のロケを行ない、かなりのヴィデオ素材を収録しました。しかし番組は45分、使わなかったシーンが相当あります。吉増剛造さんとのトークシーンも、まだまだ刺激的なお話が出ましたよ。そこで番組の草川プロデューサーから、未使用ヴィデオを編集して特別版を作成し、その上映会をやってはどうかと提案いただきました。いやあ、ありがたいことです。

 特に、佐藤春夫に関連して、新宮市内や、佐藤家のルーツの下里に残る旧家など撮影しているのです。それになにより、春夫にとっての桃源郷だった湯川温泉=ゆかし潟の情景は、皆さんにぜひご紹介したいものです。ちょっとロケ現場でのスナップをお目にかけましょうか。春夫記念館の周辺には、春夫の句碑などもあります。記念館の辻本雄一館長には、なにかと便宜をはかっていただき、お世話になりました。

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 おっとさりげなく、ですが(笑)、記念館に飾られた、吉行淳之介から春夫に贈られた色紙などもどうぞ。さてさて、ゆかし潟、この汽水湖の風情がなんとも好もしいのですね。春夫はこの湖畔に別荘を建てて晩年を送りたいと綴っています。いまは春夫の歌碑がその代わり?をつとめるのですが。

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 この特別上映会、実施するのは、今月5月27日(土)の午後を予定しています。会場は文京区の某所です。ただ、予定する会場、狭いのですね。ですから、これに参加ご希望のかたは、小生のところまで、一報をくださいませ。先着順!で20名のかたをご招待いたします。ただ27日は、吉増剛造さんはオランダに行かれていてご不在、残念ながら会場でのトークを、という企画は実現しませんが、草川プロデューサーの、現時点での太っ腹企画としては、特別上映したDVDを皆さんにお土産に差し上げたい、とのことです。これはおおいにご期待ください。

 話題は変わります。このGW中は、当方にはまあ原稿執筆の労働時間なのですが、いくつかのダンス公演を鑑賞いたします。まずは、池袋の東京芸術劇場に、ベルギーのダンスカンパニーROSAS(ローザス)の「FASEファーズ」の舞台を観てきました。ROSAS、昔モーリス・ベジャールのムードラなどでダンスを学んだアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルが率いるカンパニーですが、僕が最初に生の舞台を観たのは、あれは22,3年前かな、代表作である「ローザス・ダンス・ローザス」を渋谷のbunkamuraのステージで体験したときでした。それ以来ドゥ・ケースマイケルのファンで、東京近辺での公演はほとんど観ているつもりです。(マイルス・デイビスのジャズで踊る「ビッチェズ・ブリュー」の舞台評は「ダンスマガジン」誌に書いたことがありますね。)

 そのドゥ・ケースマイケル、1982年が初演という今回の「FASE」を、自分自身と若い女性ダンサーのターレ・ドルヴェンとふたりで踊ります。音楽は、スティーヴ・ライヒ。こんなダンスでした。

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 ふたりのダンサーが基本的に同じ動きを示します。ライヒのミニマルなサウンドに乗って、動きの反復が微妙に変容してゆき、また重なる、というもの。解説冊子の文章で、ダンス評論の石井達朗さんが、「数学的な緻密さでクールに構成されていながら、ある種の官能性を秘めている」と書いているのはまったく賛成、同意見です。

 とにかく、35年前のダンス作品とは思えないくらい、非常にフレッシュな印象でした。(衣装も、35年昔のものをそのまま使ってるのですよ、とは、帰りに劇場のディレクターの前田圭蔵さんにうかがい驚きました。)観衆にもおおいに受けて、カーテンコールは四回ありましたね。いや、そうでしょう。うん、これはもうひとつの出し物で、現代音楽グループのIctusイクトゥスと共演する「時の渦」もぜひ観たいもの、と帰りがけにチケット窓口で6日の公演ぶんを購入しました。皆さん、コンテンポラリーダンスのROSAS、要注意ですよ。

 お別れの引用句、佐藤春夫で行きましょうか。

「長き夜(よ)を
 隣人は
 釘を打つてゐる」
                                    (佐藤 春夫  「失眠」  『殉情詩集』より)

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