林浩平の《饒舌三昧》

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zoom RSS 「放送大学」、出演した「文人精神の系譜」の特別上映会でした

<<   作成日時 : 2017/05/28 19:30   >>

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 墓守と 語りて春を惜しみけり     (芝 不器男)

 久しぶりに不器男の句を引いてみました。季語は「惜春」です。四国は南予の松丸という山間の村に暮らした不器男ですが、ここに出る墓とは、おそらくは生家のすぐ前の小高い山のうえにある寺のものでしょう。生家は現在は不器男記念館です。僕はもう5回は訪ねてますね。また初夏の松丸の村に行きたくなりました。

 さて、お知らせしていましたが、この27日(土)の15時から、茗荷谷の駅前にある放送大学の文京学習センターの一室にて、僕が出演しました「放送大学」特別講義の「文人精神の系譜」の特別篇の上映会がありました。知友の皆さんが集まってくれます。その模様をレポートしましょう。

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 最初に、この5月1日に一回目のオンエアのあった本編45分をご覧いただきます。ほとんどのかたはそれをすでにご覧になってますから、ところどころ、僕が解説の弁をはさみます。それから、お集まりくださった皆さんをおひとりおひとり紹介をして、井上ディレクター編集の、未使用ヴィデオによる特別篇の上映です。番組に登場したロケ地を順に、恵泉女学園の僕の研究室、京都、新宮と続きます。

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 京都ロケでは、大田垣蓮月の関連の映像が主に流れますね。そう、幕末の女性歌人で埴細工の職人でもあった蓮月、いわば女性の文人だったのですよ。あの文人画家の富岡鉄斎を幼少のころから可愛がり、鉄斎の精神的な母親としても知られています。僕は、杉本秀太郎さんの評伝の名作『大田垣蓮月』を読んで以来、すっかりファンになり、この最晩年の西賀茂の住まい跡も訪ねていました。そこから数百メートル北に行った小谷(おだに)墓地の一画に、蓮月の墓があります。

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 続いては、新宮ロケのパートです。新宮市の西隣が那智勝浦町ですが、そこの湯川温泉の「ゆかし潟」でのロケ映像をご覧あれ。佐藤春夫の歌碑が建っています。春夫は歌のなかでこの汽水湖を「ゆかし潟」と呼んだので、いまでは通称になりました。僕は、春夫詩集を手に持って、湖畔に腰をおろして読む真似でした(笑)。

 実は、この汽水湖の右手の奥に、某人物の別荘があるのですが、そこが春夫も予期せぬ、現在の「西班牙犬の家」(春夫の傑作短編小説です)だったという話を、僕は次号の「三田文学」(夏季号)に寄稿しましたので、どうぞおたのしみに。「事実は小説よりも奇なり」、です。

 そして、新宮市にある春夫記念館のなかの、春夫の書斎空間。ここは狭い六角形のサンルームですね。春夫はここで筆耕に励みました。

 特別篇、その後は、吉増さんとのトークのパートです。ここはそのまま番組として使える映像ばかりでしたね。

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 蕪村についてのお話では、蕪村の俳句作品もテロップ表示で紹介されます。まさに特典映像。ラストには、ヴァレリー・アファナシエフのピアノによるモーツァルトに合わせて「怪物君」が制作されるシーンが映し出されて、吉増さんの解説です。これをご覧になれたのは、参集くだっさった皆さん、ほんとにお得でした(笑)。

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 さて、ラストに今回の番組を担当くださった草川プロデューサー、そして井上ディレクターを紹介します。お二人の濃やかなご配慮とご親切のおかげで、今回の特別上映会が実現できたこと、改めて感謝です。上映の後には参加されたかたからの感想やご意見などもうかがって、和気藹々、とても良い会になりました。ご足労くださった皆さんもほんとうにありがとうございます。

 そしてもうひとり、番組の本来のディレクターであって、構成の原案など番組の骨組みはバッチリ作ってくれたうえに六日間のロケの現場では陣頭指揮をとったのが原口美早紀さんです。ところがちょうど原口さんは、ご懐妊中で、いざ編集という段階で入院、スタジオ作業にタッチできなくなったため、夫君である井上元さんが代打を務めてくださった次第です。赤ちゃんは無事に4月5日に誕生、この「文人精神の系譜」と同時進行で大きくなったので、お名前は蕪村の句「春の海ひねもすのたりのたりかな」から「春乃」ちゃん、と名づけられました。それを報告しておきますね。原口さんとのツーショット、去年の竹橋での吉増剛造展のフロアで撮ったものをどうぞ。

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 最後に、この本編の第二回めのオンエアの情報もお伝えしておきます。6月11日(日)の20時からです。関東圏のかたは地上波の12チャンネルで、それ以外の地域のかたは、BSの231チャンネルで自由にご覧いただけます。どうぞよろしくお願いします。

 お別れの引用句、京都の特別篇に登場した大田垣蓮月に関連した文章としましょう。その墓のことを杉本秀太郎さんはこう紹介します。

「墓は一本の櫻の大樹の下にある。瓜ざねの形をした石に、大田垣蓮月墓、と鉄斎の筆をそのまま刻んだ、なんの飾りもない、つつましいお墓である。」
                                              (杉本 秀太郎  『大田垣蓮月』)



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