林浩平の《饒舌三昧》

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zoom RSS 会田誠「GROUND NO PLAN」展、愉快です

<<   作成日時 : 2018/02/17 00:32   >>

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 砂みちに 月のしみ入る 二月かな     (久保田 万太郎)

 二月の冬の夜道、舗装されていない砂の道に、真冬の月の光が「しみ入」っている光景ですね。これはきれいな句です。二月の月、真冬とはいえ、どこかに春の気配を忍ばせているのではないでしょうか。ご近所の梅のつぼみもふくらんでいます。

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 大手建設会社の大林組の外郭団体の大林財団がスポンサーとなった、「都市」をテーマとした現代アートの公募企画に会田誠氏が応募して選ばれた展覧会「GROUND NO PLAN」展が始まっています。今月24日まで、会場は表参道の交差点すぐそばの青山クリスタルビルの地下フロアです。入場は無料。この審査員には知友の学芸員である藪前知子さんや保坂健二朗氏も加わっていますから、そりゃあ尖がったアーティストを選出してくれるでしょう(笑)。「取り扱い注意の美術家」の異名をとる会田氏ならではのユニークな都市論作品が見られるものと期待して、行ってみました。

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 青山通りの歩道に面して、立派な入口が設けられています。ここから階段を降りましょう。地下一階と二階のフロアが会場です。おや、かなりのひとが入って鑑賞してますね。写真は自由にどうぞ、が嬉しいです(笑)。おっと、以前にミズマアートギャラリーで観た「新宿御苑大改造計画」がフロアの奥に展示されています。

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 あのお馴染み新宿御苑を会田好みに改造しちゃえ、という計画案ですね。面白いのは、それを黒板に色付きチョークを使って描いたところです。だいたいチョークなんて素材を用いて細かいタッチを表現するのは相当に難度の高いワザです。それを会田氏、楽に描いてますね、さすがのテクニックですよ。新しい御苑に放し飼いにしろというので描かれた狸ですが、「タヌキって描くの難しかった」というコメントが添えられてるのが愉快です(笑)。

 ミズマでこの展示を観たのは、もう10数年前でしたが、当時の会田氏は人気アーティストでありながら、「喰えないからアコムで借金している」を看板にしてました。オーナーの三潴末雄さんが僕を紹介してくれたときに、いきなり、「林サン、仕事ください」と言われたので面くらいました(笑)。

 しかし、チョークアート、上手ですよ。

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 会場には、テーマに沿って「都市計画」案を謳った作品が並んでいます。「風の塔」改良案の「ちくわ女」完成予想図と、「人プロジェクト」、愉快です。

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 会田氏の盟友である山口晃氏には「新東都名所 東海道中」シリーズがあってパノラマ絵画で名所を描いていますが、そのなかの「日本橋」をパロディで、「シン日本橋」と題してこんな具合に描きました。署名もパロディで、ニセモノを名乗っています。

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 続いては、「東京おみやげ」シリーズのドローイングです。奇想天外?なパロディ精神こそ会田誠の強力な武器でしょう。お笑いください。

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 地下二階のフロアに降りましょう。壁に動画が映写されています。これはカラオケルーム、会田氏がジュリーの持ち歌だった「カサブランカ・ダンディ」のメロディに合わせて替え歌を歌っています。鍔広の帽子をかぶった格好は、ははん、これは現代美術の大先輩だったヨーゼフ・ボイスをパロってますね。歌の歌詞が貼りだされていました。タイトルは、「アーティスティック・ダンディ」、現代アートが社会に向けて発信する力が衰えたことを風刺するのでしょう。

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 それからタテ看ふうのこんなメッセージボードも並びます。なになに、「北海道遷都」、それに「〇×半島無人化計画ーー日本狼復活!」。主張を読んでみましょう。なるほど、一理あるかも、です(笑)。

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 会田氏の過激な都市改造計画、タワーマンションや超高層ビルの乱立という現状に対して、「建物はすべて二階建てに」とか、「スラムを復活させよ」とか、おおいに批判精神を発揮していますが、いやいや、単なるオアソビとは片付けられないところがあると思いますよ。大林財団、なかなか太っ腹ですね(笑)。

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 さて、話題は変わります。私事で恐縮ですが、この3月いっぱいで10年間勤務した恵泉女学園大学を特任期間の満了で退職することになりました。まあその後も非常勤講師として授業は担当するのですが、いわゆる「定年退職」です。いささか感慨がありますね。大学の日本語日本文化学科の同僚たちが、ありがたいことに退職祝の宴席を先日設けてくれたうえに、サプライズの退職記念グッズ!まで贈ってくれました。これには感激、「どうもありがとう!」です。その際のスナップをお目にかけます。

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 いや、特注のロックTシャツ、プリントされてるのは、3年前の大学の学園祭で僕らのロックバンドが野外ライヴに出演したときのわがベース&ヴォーカルの激写画像なのです。(この写真を大学の教員紹介で使っています。恥かしながら(笑)。)写真の下には、僕の名前の後に、(1954〜∞)とプリントされているのが驚きでした。ありがたい贈り物を企画くださった同僚によれば、「林センセイ若いから、こうなんですよ(笑)」。いやはや恐縮、皆さんに多謝、でした。

 さても2月なかばを迎え、ようやく春の気配も薄っすらと感じられるようになりました。僕は明日からしばらく関西に帰省してきます。母親の介護が待ちますが、いくつか訪ねようと思うところもあります。また東京に戻ってから、報告しましょう。

 では今日の「折々の引用句」、寺山修司で行きましょう。

「いろんなとりがいます
 あおいとり
 あかいとり
 わたりどり
 こまどり むくどり もず つぐみ

 でも
 ぼくがいつまでも
 わすれられないのは
 ひとり
 という名のとりです」

                          (寺山 修司  「ひとり」  『少女詩集』より)

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