林浩平の《饒舌三昧》

アクセスカウンタ

zoom RSS 掛け軸を祇園南海の書に+DIC川村記念美ではブリジット・ライリー展です

<<   作成日時 : 2018/04/15 21:53   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 春風や 公衆電話 待つ女     (吉岡 実)

 現代詩人の吉岡さん、詩はアヴァンギャルド派でしたが、俳句は庶民の暮らしの哀感を滲ませたシブい作が多いです。この句など、まさに昭和の風景、ですね。この女、電話をかけるのは不倫の恋の相手かな(笑)。

 さて恒例行事です。わが家のリビングの掛け軸を替えましょう。4月という季節に相応しい水墨画は所持しませんので、書です。これまでもこのブログで紹介しましたね、文人画の創始者のひとりとされる祇園南海の書です。南海は漢詩人でもあったので、これは自作の詩句でしょう。

画像
画像
画像
画像


 おっと、軸の隣の椅子に、わが家の飼い猫の一匹、メスの小雪が鎮座してくれました。小雪ちゃん、このブログには、お正月の記事以来の登場です(笑)。

 この軸は、明治のころ逓信省のお役人だった曾祖父が、東京から和歌山市に転勤した際、「紀州に来たからには、紀州の文人の書を」というので求めたものだそうです。祇園南海(1676〜1751)、紀州藩の藩医の息子に生まれたので、医をもって藩に仕えましたが、儒学者でもあって、後に藩校の校長になりました。そしてなんといっても、中国渡来の画譜を収集して画業にも励み、日本の南画の祖として知られます。いま京博で展覧会をやってます池大雅も、南海に画法を学ぶため、二回、紀州和歌山を訪ねたそうですよ。

 南海は書家としても大変人気があったそうです。ですから、当然ニセモノも多いとか。署名と印をアップしましたが、これ、アヤシイようですね。ひいじいさん、ニセモノを掴まされたかな(笑)。でも僕はこの書、まあ気に入っています。軸を収める函もなかなか立派です。

 この2月に和歌山に帰省した際、国道42号線の脇の小松原地区の妙法寺というお寺に、南海先生のお墓を訪ねました。ただここは、大戦中にアメリカ軍の爆撃を受けて、墓地が破壊されたので、かろうじて残った墓石だけを積み上げたまま、という情けない有り様。先賢の墓にお詣りした、という気分になれません。デジカメ画像をどうぞ。それから南海先生の肖像がこれ、です。

画像
画像
画像


 話題はガラリと変わります。13日の金曜日でした(笑)、佐倉のDIC川村記念美術館で、「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」展のオープニングがあり、ご招待ありがたく、日暮里から京成線に乗って馳せ参じました。川村の美術展に来るときは、これも恒例ですね(笑)、新宿のデパ地下でお弁当を購入して持参します。池に面した藤棚の下のベンチで、この日は、升本の牛めし弁当を広げました。

画像
画像


 ブリジット・ライリーBridget Rileyは、1931年生れのイギリスの女性画家です。幾何学的なパターンで画面に動きを生む抽象絵画の作者として知られます。ライリーの作品画面をじっと見つめていると、図柄が動き出して、めまいを起こすようですね。それで今回の企画展、「ゆらぎ」というタイトルが付きましたか(笑)。

画像
画像


 13時半からオープニングセレモニーが始まりました。画家ご本人にお目にかかれるかな、と期待したのですが、87歳のご高齢ゆえになんでも長旅にはドクターストップがかかったよし、それは残念でした。ではさっそく展示を拝見しましょう。学芸課の光田由里さんのお許しを得て、このブログ用の画像撮影OKということで、腕章を貸していただきました。これで遠慮なくデジカメが使えます(笑)。展示フロアは、Curves・Stripes・Diagonalsの三つのコーナーに分けられています。まずStripesのコーナーから紹介しましょう。

画像
画像
画像


続いては、Diagonals、斜線とか対角線の意味です。

画像
画像
画像


 しかし、なんといっても「ゆらぎ」の効果が最も強く発揮されるのは、Curves、曲線のコーナーの作品群でしょう。これらの大画面を凝視していたら、ほんとにクラクラッと来ました(笑)。

画像

画像


 作家のサインは、ちょっと面白い場所に書かれてました。見つけます(笑)。

画像
画像

画像


 ブリジット・ライリーの作は、やはり原寸大?の実際の画面の前に立たなくては、鑑賞できません。この展覧会は、8月26日までやっています。皆さん、どうぞお弁当持参で(笑)、クラクラを体験するために美術館を訪ねください。

 お別れの引用句、祇園南海の漢詩で行きましょう。次に引く四行、実は僕の詩集『心のどこにもうたが消えたときの哀歌』のなかに収める詩篇「昼さがりの浄土にて」のなかにも原文のままで引いています。「城下町の寺」に「文人画家の墓」を訪ねた、という設定なのです。ここは、原文の他に書き下し文を加えましょう。

「小少耽翰墨    小少(わか)くして翰墨に耽り
 動有古人風   動(やや)もすれば古人の風有り
 日記数千言   日に数千言を記し
 気吐万丈虹   気は万丈の虹を吐く」

                           (祇園 南海   「詠懐二首」)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
掛け軸を祇園南海の書に+DIC川村記念美ではブリジット・ライリー展です 林浩平の《饒舌三昧》/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる