テーマ:現代詩

横浜美術館では駒井哲郎展+キング・クリムゾン・シンポジウムに参加しました

 道ゆづる 風流もあり 秋の暮    (加藤 郁乎)  三鷹駅の北口にある古書肆・水中書店で見つけ購った句集『初昔』からです。イクヤさん、第一句集の『球体感覚』はお馴染みでしたが、晩年の句風には疎かったので、これで察しがつきました。なかなかの軽みの世界、ですな。  いきなりの肖像写真からスタートですが、1967年撮影…
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DIC川村記念美術館では詩人・平出隆氏による「言語と美術」展OP、見所一杯です!

   目にて書く 大いなる文字 秋の空     (高濱 虚子)  抜けるように青く広がった秋空を詠んだ虚子の句です。雲ひとつない秋空に、幻の文字を書いてみよう、というわけです。しかし今年は気候不順、こんな秋空にはまだお目にかかれません。  佐倉にあるDIC川村記念美術館、このところユニークな企画展にトライしておおいに怪気炎…
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クロコダイルで詩の朗読会+「放送大学」特別講義、ここでOK+吉増さんの肖像写真をリビングに掛けました

   山川(やまがは)に 高浪も見し 野分(のわき)かな     (原 石鼎)  野分、つまり台風を詠んだ句ですが、当時の石鼎(せきてい)は吉野の山奥に暮らしていました。ですから「山川」は山を流れる川の意味。その川に高浪がたったのですから、さぞやの暴風。この句を評して、安東次男さんは「「高浪を」ではなく「も見し」と遣ったところが…
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シアターχでは吉増剛造さん『舞踏言語』刊行記念イベント、笠井叡さんや中嶋夏さんゲストでした

  箸おいて 居眠る癖や 秋の風       (内田 百閒)  久しぶりに百閒先生の句を紹介します。昼食を済ませたあと、どこやら睡魔に誘われるままこっくりこっくり、という情景ですね。確かに、ひんやりとした微風が渡る秋の午後の気分でしょう。昼ご飯ということでは、晩酌のお酒をおいしく呑むために、昼はかけ蕎麦くらいがいい、とは先生の…
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甲府桜座では帷子耀さんイベントに吉増さんゲスト参加+山梨文学館では草野心平展+吉増展閉幕です

  蜘蛛の巣に 露あたらしき 朝ぼらけ     (吉岡 実)  詩人の吉岡実さんは、句作りとなると、超前衛の詩人から一転、季節の情感を繊細にあらわす花鳥諷詠を基本にしました。この作、朝がた、蜘蛛の巣に光る露を詠んで、大気の湿り具合もよく伝わってきます。  さて9月20日、甲府市内の桜座というライヴスポットで行われたイベン…
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多摩美大美術館では「神仏人」展+松濤の吉増剛造展、岡野弘彦さんとでした+吉増さん新著「図書新聞」紙上

   野ざらしの 賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ) 秋暑し      (松本 邦吉)  句集『かりぬひ抄』の「奈良三句」連作からです。古都奈良の郊外の道端に、ふと目をとめた仏像があったのですね。9月といっても、まだ十分に暑いです。尊者の像も暑がっているようです。(松本さん、句集の表記、「賓盧尊者」となっていて、「頭」が欠けています…
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真夏の高野山・根来寺を訪ねました+松濤の吉増さん展、山根基世さんゲストに声をテーマのトークでした

   夏山に 虹立ち消ゆる 別れかな        (芥川 龍之介)  奇想句も多い芥川ですが、時にこんな若々しい抒情句も残します。この夏の日本列島、酷暑がまだ続き、とてもこんな具合に夏山の虹を賞翫できません。  さて、暦のうえでは晩夏の先週、郷里の紀州に帰省した際に、久々に高野山、そして根来寺を訪ねてきました。下界は猛暑…
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松濤美術館では「涯テノ詩聲 詩人 吉増剛造」展がはじまりました。内覧会に出席です。

    真白なる 猫によぎられ 大旱(おほひでり)     (加藤 楸邨)  炎天のもとを歩いていると、白猫がトットコ道をよぎっていった、という情景です。真っ白なネコ君、どうやらこの強い陽射しもこの暑さも気にならないみたい。白日のもとの白いネコ、というのが、強烈なイメージ。愛猫家の楸邨先生、ネコを詠んだ句が多いです。 …
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横浜美術館ではモネ展+エルメス、朝吹真理子さんテクストをプレゼント+詩集案内

   炎天や 巌も渚も ましろなる      (松本 邦吉)  このところの異常な猛暑続きには閉口ですね。最高気温が40℃を超えました。詩人の松本さんのこの句、『しずかな人 春の海』に収められていますが、まさにこの酷暑の真夏の海岸の情景です。全景、眩しい陽光でハレーションを起こしたみたい。八月もまだこれが続くのでしょうか。 …
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庭園美術館ではブラジル先住民の椅子展、愉快+吉増剛造さん、NHK「こころの時代」出演です

   蝉の合唱 神々は木に怠くつす     (安東 次男)  「怠くつ」とは退屈をこう表記したのでしょう。梅雨が明けて、さあ蝉の合唱が、となる季節なのに、ここ数年は蝉声が稀になりました。今年はわが家の近所も、多摩地方一帯も、蝉をまったく聴きません。どうなったのでしょう。それに今回の大豪雨。神々は退屈してる場合じゃないでしょう(笑…
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原美術館では小瀬村真美さん「幻画~像の表皮」展、映像作品がすばらしいです

 夏至即ち 夏の最も 暗き日ぞ   (高橋 睦郎)  今年の夏至は、今度の木曜日21日です。夏至は、日の出から日の入りまでの時間が最も長い日、ですが、日本ではちょうど梅雨の季節なのですね。一日中を暗い雨に降りこめられることもしばしば。詩人の睦郎さんが一昨年に刊行した句集『十年』にこの句がありました。「最も暗き日」と詠ったところに、…
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十田撓子さん『銘度利加』のH氏賞授賞式でした+吉増剛造さんと堀江敏幸さん、新刊記念トーク

 水さつと 抜手ついつい つーいつい      (芥川 龍之介)  芥川の句には奇想句も多いのですが、これには「倣惟然坊」という詞書があります。江戸の俳人で芭蕉の弟子でもあった広瀬惟然に倣う、というわけです。惟然には、擬声語など口語を使った作が多くて、有名なのは「水鳥やむかふの岸へつういつうい」です。まさにこれを本句?としましたね…
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京博では池大雅展、これはもう見応え充分でした(画像を追加)+吉増剛造さん、『火ノ刺繍』が届きます

   黒揚羽 わたる十字路 ながきかな      (安東 次男)  あんつぐ、こと、安東次男の初期の句にこれがあります。十字路を飛んでゆく、生まれたての?クロアゲハを見守る作者もまた若いです。そんな瑞々しさを感じさせる作ですね。  午前の新幹線「のぞみ」に乗って京都に来ました。京都国立博物館を久しぶりに訪ねます。85年ぶり…
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掛け軸を牡丹の絵に+吉増剛造さん、NADiffイベント最終回+『火ノ刺繍』誕生です

 夕暮や 籬(まがき)はなれし 蝶一つ    (芝 不器男)  春の夕暮れ時、垣根を離れてゆるく飛びはじめた蝶を詠みました。不器男の句は、愛媛県南部の山間の里を舞台にしますが、その風景はどれもユートピア性を帯びたもの。この句にもそんな永遠性が漂うのでは。  さて、季節は春から初夏へ、です。今年の春は、みょうに薄ら寒い日が多く…
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那覇で発見の名所は首里の金城町の石畳と壺屋焼物博物館です

 第一銀行 夜は手相見の 春灯(とも)し     (三好 達治)  詩人の三好達治はなかなか趣きのある句を残しています。現在はみずほ銀行ですが、いくつかの合併の前には第一銀行がありました。その支店の石畳?に夜ともなれば手相見が出て、客をとるわけです。空気もぬるむ春、商売も繁盛なのでしょう(笑)。  さて、二泊三日の沖縄への旅…
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那覇の沖縄県美での「詩人吉増剛造・涯テノ詩聲(ウタゴエ)」展オープニングに出席しました

  ゆく春の 耳掻き耳になじみけり      (久保田 万太郎)  面白い句ですね。俳人の小澤實氏が蕪村の「ゆく春やおもたき琵琶の抱きごころ」を挙げて、「琵琶」をずっと軽くしていくと「耳掻き」に至る、と評しているのには賛成です。実にゆったりとした平穏な気分です。  那覇市にある沖縄県立博物館・美術館、向かって左側…
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鮎川信夫賞授賞式に出ました+府中市美「リアル」展面白し(出演した「放送大学」がHPで自由見られます)

 緑蔭に 三人の老婆 わらへりき    (西東 三鬼)  自句自解に「井の頭公園の作」とあって、「この三人の三と云う数は、天が定めた数である」と結ばれています。いわゆる新興俳句の旗手だった三鬼、この句など「十七文字の魔術師」とも称された作者の面目躍如でしょう。『マクベス』の魔女のような、三人の老婆ですぞ(笑)。  思潮社が主…
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シス書店ではN・リボー「マルドロールの歌」展+日仏では松本春崇「家縛りプロジェクト」シンポでした

 濡れたまふ 弥勒も宇陀の 花じまひ       (飴山 實)  奈良の室生寺を訪ねる際に乗ったバスの車窓から目の前に見えるのが、川に面した30ⅿの巨岩に彫られた摩崖の弥勒菩薩です。大野寺のこの摩崖仏、開眼供養には後鳥羽上皇も臨席したとか。春雨が桜を散らしてゆく風情を詠みました。句集『次の花』には、大和の古寺を巡った際…
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仙川周辺の江戸期・庚申塔巡りです+十田撓子『銘度利加』書評、岬多可子さんありがとう

  結局は 雀が似合ふ 藪椿     (安東 次男)  あんつぐさん、そのエッセイの文体にも独自のものがあり、ことに古美術、焼き物を語る文章など絶品です。この句で、初句と二句「結局は雀が似合ふ」、この断じかたが、あんつぐ節ですね。椿の季節ですが、藪椿、実物にお目にかかるのは稀です。  このところ、遺跡や古墳に関心があって…
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白洲次郎・正子の武相荘を訪ねます+美術家の福田尚代さんトークに参加IN町田市民文学館

 東京の 海ぬらしをり 菜種梅雨      (松本 邦吉)  菜種梅雨は、三月中旬から四月にかけて菜の花の咲くころに降る長雨をいいます。ちょうどこれからのものでしょうが、幸い今週は気象情報によると佳い陽気が続くようです。作者の松本さんとは、先日の梅見の会もご一緒でした。 僕の勤務する恵泉女学園大学は、多摩市の南野にあります…
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詩人たち、小石川植物園での梅見の会+加納光於さんの《平家物語》逍遥展、オープニングでした

 紅梅の 紅の通へる 幹ならん      (高濱 虚子)  紅梅を詠んだ虚子の句ですが、虚子先生、時折みょうに形而上学的な?発想を示すことがあります。この句もそうでしょう。「紅」が通う梅の幹、とはよくぞ発想したもの。花鳥諷詠、実に懐が深いですよ。  さて梅の季節です。ここ何年か、毎年この季節になると、小石川植物園の真ん前に住…
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だるま市で賑わう深大寺で安東次男の墓に詣でました

 紅梅と 気付かせてゐる くもりかな     (安東 次男)  「あんつぐ」こと、安東次男は、幼少期を雪の多い岡山県は津山市に過ごしたので、春の気配の到来には敏感だったのでしょう。曇天の鈍い光のなかで、向こうに咲くのは紅梅の花だ、と気付いた、その興を詠んだ一句です。  その安東次男さんの墓が、調布の深大寺の墓所にある…
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和歌山市内の古墳を探訪+NADiffイベント後に吉増剛造さん、79歳のお祝い

   梅一輪 ひらかんとして 氷かな     (長谷川 櫂)  梅の蕾がほころんで開花寸前。でもよく見ると、前夜の雨滴がたまったのが早朝の寒さで氷になっていた、という情景でしょう。今年の冬は寒かった。しかしもう二月下旬、武蔵野界隈の梅はかなり咲いているようですね。  先日は、高校の同窓会や老母の介護で関西に帰省していました…
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足利市美での吉増剛造展、最終日のイベントに参加しました

 冬日柔か 冬木柔か 何(いづ)れぞや     (高濱 虚子)  虚子にこんな句がありました。冬枯れの木に冬の柔らかな陽射しが注いでいる情景でしょう。虚子の句、新鮮な語法を用いるのは「さすが」です。また隠し味のように、哲学的な思弁の痕を見せていますね。   さて、吉増剛造さんの足利市美術館での展覧会「涯テノ詩聲 詩人吉増剛造…
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吉増剛造さん、空間現代とのヨーロッパ公演レポート+十田撓子さん詩集『銘度利加』が誕生です

   門内の 敷石長き 寒さかな     (芥川 龍之介)  師走を迎えて、寒さが厳しくなってきました。帰宅して門をくぐって玄関まで寒波が身に沁みます。玄関までの敷石が長く感じられる、というのでしょう。芥川には奇想句もありますが、こうした落ち着いた心境句もいいですね。  まずご覧いただいた2枚の画像、これは昨年の6…
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静嘉堂文庫美術館では明清絵画展+彫刻家・森堯茂さんが逝去、残念です。

 庭箒 ささくれたつや 年の暮      (北園 克衛)  師走にはまだ少し早いのですが、「年の暮」を詠んだこの句を偶々見つけました。作者は、なんとモダニズム詩人として知られる北園克衛です。唯一の句集『村』、まあこの句集名も驚きですが、そこに収められます。もちろんあの西脇順三郎の晩年の東洋回帰はよく知られています。ただ西脇の場合そ…
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三国町を三好達治の足跡探訪で歩きました。ここは近代文学とも深いゆかりを持ちます(画像追加)。

 木の草の 光りざま見よ 秋の風      (高橋 睦郎)  詩人の睦郎さんの新句集『十年』から秋の句を引きました。詩も短歌・俳句も、エッセイも戯曲も自在にこなす睦郎さんですが、若いころには、三好達治との交友もあったよし、三好からの葉書を大事に机に飾ったこともあるとか、うかがいました。  さて、福井市のふるさと文学館…
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福井市のふるさと文学館の三好達治展を見学しました。見どころ多し。

 まはり道 してゐるやうな 秋の暮       (松本 邦吉)  到着したばかりの俳句誌「白茅(はくぼう)」の16号に、ゲスト作品として松本さんの寄せたなかの一句です。(僕はここに、国立新美術館で観たジャコメッティ展の感想を書いています。)この句、ちょっと解釈に戸惑いますね。というのも秋の夕暮れは釣瓶落とし、と言われるように、秋に…
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吉増剛造展、足利市美でオープン、内覧会をレポートします(画像を追加しました)。

 名月や 夜は人住まぬ 峰の茶屋     (与謝 蕪村)  蕪村の秋の句、峰の茶屋は昼間の営業を終えると主人は下山、ですからそこからの冴えた名月を独り占めして眺められる、という趣向ですね。蕪村は吉増さんの敬愛する俳人、吉増さん展のオープンを祝って、蕪村から入りましょう。  足利市立美術館では、11月3日から12月24…
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福井県ふるさと文学館の三好達治展、初公開の卒論には注目です

 秋風の 山を越えゆく 蝶一つ      (三好 達治)  親友だった作家の石川淳によれば、晩年の三好は、「俺は俳人になればよかったな」と漏らしていたそうです。三好といえば、デビュー詩集『測量船』の端正な抒情詩で知られますが、折に触れて詠んだ俳句にもなかなか味わい深い作がありますよ。岩波文庫の三好達治詩集に収めた、自選の百句のなか…
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