テーマ:コンテンポラリーダンス

シアターχでは吉増剛造さん『舞踏言語』刊行記念イベント、笠井叡さんや中嶋夏さんゲストでした

  箸おいて 居眠る癖や 秋の風       (内田 百閒)  久しぶりに百閒先生の句を紹介します。昼食を済ませたあと、どこやら睡魔に誘われるままこっくりこっくり、という情景ですね。確かに、ひんやりとした微風が渡る秋の午後の気分でしょう。昼ご飯ということでは、晩酌のお酒をおいしく呑むために、昼はかけ蕎麦くらいがいい、とは先生の…
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旧日仏学院での『室伏鴻集成』出版記念イベントに参加しました

 風邪惹きの 猫の寝息の かなしけれ     (加藤 楸邨)  格調高い詠みぶりで知られる楸邨に、猫の句を120句集めて編んだ句集『猫』(ふらんす堂)があります。飼い猫が風邪をひいて寝ている。その寝息が「愛(かな)し」というわけですね。「愛し」は「いとおしい」「かわいい」の意味です。よくわかります。  2015年の6…
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S・ライヒの「ドラミング」に挑戦のダンス「DOPE」、ゲネプロを観ました+清原啓子版画作品集が到着

 何がなし こころ遣ひや 雪の宿     (井月)  信州伊那谷の放浪俳人・井月(せいげつ)は1822年に生まれて1887年に亡くなりました。世間では「乞食」井月と言われながら、ピュアな詩情をふくむ佳句をいくつも残しています。不安定な境遇でしたから、雪の降った日はあれこれ心配することも多かったわけでしょう。東京、今日もこの冬二回目…
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熊谷守一展、竹橋の近美で開催中+笠井叡さんの大著を頂戴しました

 限りなく降る雪 何をもたらすや     (西東 三鬼)  22日月曜に東京に降り積もった大雪、6日めになってもまだ溶け切らずに残雪がアイスバーン状態、困ったものです。新興俳句の三鬼にしては素直な詠みぶりの句ですが、「限りなく降る雪」は、これをもたらしました。雪はニガテです。北国には住めませんね。  没後40年を記念しての「…
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ジェローム・ベル振付の「ガラ」、彩の国で観ました+U2新譜「ソングス・オブ・エクスペリエンス」は秀逸

 大いなる けものの貌や 結氷湖     (松本 邦吉)  詩人の松本さんの『しずかな人 春の海』から。湖水が氷結した湖、この自然の惹き起こす、勇壮な地勢?現象を目の当たりにして、そこに「大いなるけもの」を見ましたか。現代詩人らしい想像力の生きた一句です。  フランスのコンテンポラリーダンスの振付家のジェローム・ベル…
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鯨井謙太ろうダンス「桃」見ました+大畑伸太郎個展Time is Color

 暴れ梅雨 死は兀兀(ごつごつ)と 一つづつ    (高橋 睦郎)  昨年の蛇笏賞を受賞した詩人睦郎さんの句集『十年』のなかにこの句を見つけました。詞書に、「九州豪雨」とあります。これ、まさに先日福岡や大分を襲った異常な集中豪雨のことを詠んだのか、という一句です。テレビニュースで見る豪雨の映像は惨憺たるありさまで、まさに暴れ梅雨だ…
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勅使川原三郎ダンス「静か」、画期的な試みです+「四季派学会」、高橋順子さんが丸山薫の詩についての講演

 そこにただ ゐるが頼もし 蟇(ひきがえる)    (松本 邦吉)  いよいよ待望の初句集『かりぬひ抄』を刊行された松本邦吉さん、さっそくそこから夏の句を紹介しましょう。一読、明快な句ですね。ヒキガエルですが、しかしこのところ、虫やカエルの姿を見かける機会がめっきり減った印象があります。頼もしいヒキ君に久々に会ってみたいです(笑)…
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「放送大学」、お陰さまで好評です、特別上映会を+ROSASのFASE鑑賞しました

 春ふかき ぬばたまの夜の 枕もと    (飯田 蛇笏)  重厚な詠みぶりの蛇笏にしては素直な一句です。ただ詞書によると、妻を亡くした友人を想っての作とのこと、なるほど、大きい喪失感のなかにいるひとには、春の夜の闇はいっそう深いでしょう。五月となって春闌けた感じが強いです。  さてさて、お知らせしていました「放送大学」の特別…
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根津では高麗仏画展+世田谷美トランスエントランスは鈴木ユキオのダンス

 ままかりの 酢漬を食はむ 春浅し    (飴山 實)  難解な構造の句の多い飴山實ですが、時にはストレートに食欲を詠んだ作も残します。空気がようやく温んできて、酢漬のままかりで日本酒を一杯、という心境ですね、おおいに結構(笑)。  ここは南青山の根津美術館です。ここでは三月いっぱいまで「高麗仏画展」を開催しています…
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笠井瑞丈ダンス「雪の蠅」、熱演でした+ギタリストの野呂一生氏自伝『私時代』に登場しました(画像追加)

 水仙の花 鼻かぜの 枕元     (夏目 漱石)  漱石先生、鼻風邪にやられて寝ている枕元に、水仙を活けた花瓶があったのでしょう。寒い冬もようやくおしまい、水仙の黄色い花が春近しを告げていますね。  さて今年もはや大学入試のセンター試験も終わり、季節は極寒へ、ですが、もうすこしの辛抱で「春近し」を実感できるでしょう。センタ…
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早稲田では吉増剛造さん講演会+勅使川原三郎「白痴」を踊る+レアル、優勝でしたが

 冬至風呂 からくれなゐの 命かな     (長谷川 櫂)  冬至には柚子風呂ですね。朱色の柚子の実が湯船に浮かんでいるさまを詠んだ一句。ぷかぷかと浮かんだ柚子を眺め、熱い湯にからだを浸して、「あーあ、命が延びるなあ」という感慨を表したのでしょう。実感があります。  この16日(金)には、早稲田の戸山キャンパスにて、比較文学…
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勅使川原三郎と山下洋輔の舞台、流石でした+吉増剛造インNY動画がメカスHPで見られます

 去年より 又さびしいぞ 秋の暮    (与謝 蕪村)  また今回も折々の句は蕪村ですが、今年は伊藤若冲と並んで生誕300年というので話題になっています。「老懐」という詞書のあるこの句、蕪村にしてはストレートに感慨を表わしていますね。ただこの率直な言葉遣いに、近代に近いものを感じます。  池袋の東京芸術劇場では、ダン…
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勅使川原三郎ダンス「牧神の午後」を観ました+佐藤春夫の「ゆかし潟」を再訪してきます

 蝶わたり 文字渡り来し 夏の海     (高柳 克弘)  この五月に刊行されて評判の第二句集『寒林』(ふらんす堂)からの一句です。1980年生まれで新鋭俳人を代表する存在になった高柳君は芭蕉の研究者で小説も書くそうですが、この「夏の海」は日本海?でしょうね。あの安西冬衛の「春」という短詩「てふてふが一匹韃靼海峡を渡つていつた」を…
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川端康成コレクション展、見応えありました+舞踏家・笠井叡さんを細江英公氏が撮りました

 梅雨の夜の 莨火(たばこび)人に寄られけり    (石田 波郷)  梅雨の雨がしとしと降るなかで、「ちょっと火を貸してください」と通りすがりの男に近寄られて、口にくわえた煙草を吸って、先の火を強くして、相手の煙草に火をつけてやった、という光景です。「俳句は小説である」という構想を持った波郷らしい一句ですね。  世界は、イギ…
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勅使川原三郎ダンス、「シナモン」「静か」、ともに感銘深し+「メディチ家の至宝」展

 名も知らぬ 鳥のことなど 春焚火    (安東 次男)  GWに入って、季節は初夏ですが、「春焚火」の句を引いてみました。焚火をしても「暖かい」を越してしまう大気の温さのなか、やってきた小鳥が目にとまります。それを「名も知らぬ」と素っ気なく詠みだすところが、アンツグさんの真骨頂。不愛想なのが安次における「俳」なのでしょう。 …
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吉増剛造さん『我が詩的自伝』が誕生です+原美術館では佐藤雅晴「東京尾行」展

 春暁の 睡たき顔を 洗ふのみ    (石田 波郷)  第一句集『鶴の眼』から。波郷は26歳、松山から上京し、水原秋櫻子の「馬酔木」同人として編集の仕事をしながら作句に意欲を燃やしていました。当時は駒場に暮らしていた波郷、青春の日の一コマでしょう。この句には「妹職を得て去る」の詞書が。同居した妹のことでしょう。妹さんがふたりいます…
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モランディ展、行きました+ペドロ・コスタ監督の「ホース・マネー」試写鑑賞+山崎広太ダンス、ネオ舞踏

 ささがにの 壁に凝(こ)る夜や 弥生尽     (芝 不器男)  「ささがに」は「細蟹」と書くようですが、蜘蛛のことですね。弥生三月も終わろうとしています。春になったとはいえ、夜はまだ寒いので、蜘蛛も壁にじっとしているのでしょう。四国は愛媛県の南予地方、松丸という盆地が不器男の郷里でした。ああ、また訪ねたいですね。 …
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宮沢賢治学会に出ました+上村なおかsoloダンス、出色の舞台でした

 昨日から わがままになる 春の鵙(もず)     (安東 次男)  四月も近づき、東京など今日は桜の開花宣言。鵙も春の繁殖期を迎えて、活動が活発になったというのでしょう。「わがままになる」というのが単なる擬人法を超えて、鵙の即物性?を表わしています。さすが、「あんつぐ」サンです。  わが家のリビングに掛けていた雛人形の絵の…
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室伏鴻さん追悼イベント+KARASの新鋭ダンサー鰐川枝里さん、大熱演でした

 肩口に 二月のひかり 阿修羅像   (坪内 稔典)  ネンテンさんの句、ここには初登場です。句誌「船団」のメンバーたちと奈良に遊びに出かけた折の作でしょうか。興福寺の国宝堂に、この阿修羅像は置かれています。古都の初春の淡い光が、堂内の静けさを伝えるようです。稔典さんの著作百冊刊行を祝う会がこの23日に神田であるので、僕も参加して…
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笠井叡ソロダンス「冬の旅」、渾身の舞いでした+勅使川原三郎の無音のダンスも感銘深し

 春の日は まだかりぬひの 光りかな    (松本 邦吉)  詩人の松本邦吉さんは、毎年の年賀状を旧正月に送ってくれます。先日届けられた彼からの賀状にあった句です。旧正月を迎え、立春を過ぎても光はまだ春のものと言えません。仮縫いの状態だ、というのですね。光を縫い針のメタファーとして捉えたかのような、この句の見立てが面白いです。 …
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護摩祈祷と舞踏のコラボ、キマッてました+谷川俊太郎さん、意外にも!土方巽を語る

 兀(ごつ)として 鳥居立ちけり 冬木立     (夏目 漱石)  この鳥居は九州の宇佐八幡のものですから、熊本での五高教員時代の作ですね。漱石先生、明治32年の正月2日にここに初詣でしています。「兀と」は、高く突き出た様子を言います。さすが、由緒ある神社のたたずまいです。  ここは、真言宗のお寺、弘法寺龍生院です。…
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近藤等則さんと近藤良平さんのコラボ、見事でした+笠井叡さんが太宰を踊りました

 あけた事がない扉の前で冬陽にあたつてゐる   (尾崎 放哉)  自由律俳句の放哉の句ですが、一行の詩としてまさに自律しています。恐ろしいまでの虚無感です。俳句界のサミュエル・ベケットですよ(笑)。  1月10日にデビッド・ボウイが亡くなりました。享年69歳。著名人の訃報にはしばしば接するわけですが、このニュースはシ…
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新年おめでとうございます+昨年の〆は笠井叡父子の共演ダンスでした

 去年から つづく日和(ひより)や 今朝の春   (永井 荷風)  皆さま、2016年、明けましておめでとうございます。「饒舌三昧」、今年はこの「折々の句」からスタートです。まさにこの句の通り、東京地方は昨年末からずっと温暖な日和続きで、今日の元旦を迎えました。少し風は吹くものの、大気は温かくて空には雲ひとつありません。そんななか…
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加納光於さん、《挿画抄》1972~79展+勅使川原三郎版「ゴドー待ち」は刺戟的でした

 六畳のうち 一畳に冬陽入る    (江渡 華子)  江渡(えと)さんは84年生まれの若い俳人。デビュー作の『光陰』は大学生時代のみずみずしい作を集めて話題を呼びました。僕も文芸創作の授業で教材にしてます。その後ご無沙汰ですが、第二句集『笑ふ』がふらんす堂から刊行されて、社長の山岡喜美子さんから頂戴しました。この7年間に詠んだ句が…
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勅使川原三郎ダンス「ミズトイノリ」、刺激的でした+富岡奈津江展と芦田みゆき展、レポートします

 朝蜘蛛の 影吊る障子 秋の雨      (吉岡 実)  現代詩人の吉岡実さんの句集『奴草』からです。昭和初期の庶民の暮らしのなかに見た秋雨の朝のヒトこまでしょう。障子に蜘蛛の影が映っています。蜘蛛の巣には折から降る雨の粒が光っている、そんな光景ですね。秋の雨はこんなふうに、静かに降って欲しいもの。栃木と茨城を襲った未曾有の大豪雨…
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舞踏家・室伏鴻 お別れの会、草月ホールで開かれました

   顔(かんば)せを 緑に染めて 人来(きた)る     (高浜 虚子)  東京は記録的な猛暑が続きます。虚子のこの句、万緑のなかの人物を鮮やかに描き出しましたが、今日のような熱波の真昼からすれば、ずいぶんと涼しそうです。緑蔭の涼感が恋しくなります。  いきなり、ガーンとくる画像をご覧に入れましたが、この裸体の舞…
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上村なおかダンス公演+明治村を探訪しました

 緑蔭に 網を逃げたる 蝶白し     (高浜 虚子)  モンシロチョウが樹間を飛んでゆく、そのさまを詠んだ句です。花鳥諷詠の精神は、時にこんなモダンな作も生みだしました。虚子の芸域の広さには脱帽ですね。  明大前にあるキッド・アイラック・アート・ホール、ここは信濃デッサン館の窪島誠一郎氏の運営するギャラリーやホール、カフェ…
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サイ・トゥオンブリー展、原美でオープニング+笠井瑞丈のダンス公演+車谷長吉氏逝去

 よき水に 豆腐切り込む 暑さかな    (井月)  今年の五月は、夏を実感させる日が多いようです。岩波文庫にも入った江戸末期の伊那の放浪俳人・井月(せいげつ)の、「これぞ夏の句」を紹介します。この句、以前に大岡信氏が「折々のうた」で採りあげ、「句の風姿には淡々たる良さがあり、漂泊者の俳句にときに見られる嫌味はない」と評していまし…
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速水御舟展は世田谷美にて+「朝鮮で描く」は葉山館でした+神山貞次郎BUTOH写真集

   緑蔭や 矢を獲(え)ては鳴る 白き的(まと)     〈竹下 しづの女)  いい句ですね。弓道場の初夏の風景がありありと浮かんできます。しづの女(じょ)、俳句に詳しい詩人の高橋睦郎さんによれば、「自覚ある女流俳人の嚆矢」だとか。ふーん、大正初年に九州・福岡で、吉岡禅寺洞を師匠として句作を始めたそうです。禅寺洞、芝不器男の師…
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菅茶山の廉塾訪問+蜷川実花展は原美で+笠井叡さん、「憲法」を踊りました

 枕木に 歌なき蝶の 幾からみ    (安東 次男)  あんつぐさんに、こんな句があるのを知ります。鉄路の枕木のうえを春の午後、モンシロチョウ(たぶん)が何羽か、もつれあうように飛んでいるのですね。その情景は、春の日の歌のようでもあって。……なかなかゆかしい抒情句ではないでしょうか。  前回は、安東次男さんの郷里の津山を訪ね…
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