林浩平の《饒舌三昧》

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zoom RSS 斎田記念館では渡邉省亭の「花鳥礼讃」展+MA2ギャラリー、デザイナー猿山修さんとのコラボです

<<   作成日時 : 2018/05/25 02:18   >>

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 天使魚(てんしうお)も いさかひすなり さびしくて    (水原 秋櫻子)

「天使魚」はエンゼルフィッシュのことで、俳句では夏の季語です。水槽でエンゼルフィッシュたちが争っているのですね。「天使」の魚という名前をもらいながら、水槽に閉じ込められているのは「さびし」いのでしょうか。秋櫻子の面白い一句です。

 世田谷の代田に、斎田記念館という小さな美術館があります。斎田家は、江戸時代より代田村の名主だったそうで、現に豪壮な屋敷が残りますが、なんでも先代が茶の栽培と販売でさらに蓄財をしたよし。もともと学芸や美術に関心があったため、美術館を開設したとのことです。現在ここでは明治、大正と活躍した日本画家の渡邉省亭(せいてい)の没後100年を記念して、「花鳥礼讃」という展示をやっています。世田谷線を若林駅で降りて、環七を北にしばらく歩き、訪ねてきました。

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 鬱蒼とした木立に囲まれた立派な日本式のお屋敷です。そのなかの一棟が斎田記念館でした。今度の企画展、先日のNHK日曜美術館のアートシーンで紹介されていたのですが、渡邉省亭(1882〜1946)の描く小鳥の絵が良かったので、実物を鑑賞しようとなった次第。省亭といえば、山田美妙の新聞小説『胡蝶』の挿絵を担当した際に、裸婦を描いたというので評判になった画家として知られています。まあ明治22年のことでしたから、世間の反応もいまと違うわけです。今回は花鳥が主題、展示室に入ってみましょう。作品は購入した絵葉書を接写しました。

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 とにかく、小鳥の絵がいいのですね。うえから順に、「桜にひたきの図」、「銀杏群鳩之図」、「橿鳥にからすうり」、「梅にこまどり」そして「月夜杉木菟之図」です。最後のミミズク君、雰囲気があります。そしてこの一点、「白衣観音図」が出展されていましたが、かなり損傷が激しかったので修復をしたのだとか。

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 気持ちよく鑑賞し終えて、さあ帰路は、しばらく住宅街を歩いて小田急線の豪徳寺駅を抜け、世田谷線の山下駅から帰りました。

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 話題はガラリと変わります。恵比寿3丁目にあるMA2 Galleryは現代アートが専門で、もうだいぶ前になります、2011年の11月にここであった岡崎和郎さんと大西伸明さんの「OBJECT 2」展では、僕はチラシに寄稿しています。また、あれはオーナーである松原健さんの個展でしたかな、僕のコーディネートで、ダンサーの上村なおかさんがフロアでパフォーマンスを行なったこともありました。

 現在ここでは(26日までです)、「ギュメレイアウトスタジオ+さる山」のデザイナーである猿山修さんの展示構成で、「組」と称するインスタレーションを行なっています。ギャラリーが所蔵する、樋口明宏さんや大西伸明さん、それに松原健さんらの現代アート作品や、骨董の目利きでもある猿山さん所蔵の茶器などを、猿山さんのセンスで組ませて展示しています。

 猿山さんとは、十田撓子さんの詩集『銘度利加(めとりか)』のブックデザインをお願いしたことで知り合いました。僕はこの詩集に解説を書いていて、この27日です、詩集がH氏賞を受賞したので授賞式がありますが、そこではスピーチをしてまいります。そんなご縁です。まずはギャラリーのHPの画像を引きましょう。

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 いかがでしょうか、これらが実際の画廊空間のなかでどう展示されてるか、デジカメで撮らせていただきましたので、ご覧ください。 まずは一階フロアから、です。

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 こんな感じです。では続いて、2階フロアをどうぞ。

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 さあ最後は4階のフロアです。ここには多数の美術書や画集がならぶ本棚も備えつけられています。

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 ズバリ、猿山さんの空間構成のセンスでもって作られた場、ですね。こういう試みももっとあっていいでしょう。

 さて、お別れの引用句、最初に紹介した渡邉省亭の長男が、俳人の渡邉水巴(すいは)でした。会場には水巴の短冊が飾られていましたが、そこに記された句です。

「行水の 灯(ひ)に飛ぶ淋し 草の蝶」
                                   (渡邉 水巴)

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「斎田記念館」展示替えの日とわかっていたのですが、場所確認のため「梅が丘」から散歩がてら訪ねました。またの機会に行きましょう。知らなかったので良い情報でした。アートシーンも見のがしていましたし。有難うございました。
府中美術館にやっと巡回してきた「長谷川利行展」行きました!(福島県立美を訪問がてらアチラでも見てきた友人と)満足の出店数でした。
あけみ・る
2018/06/11 17:45
「あけみ・る」さま、コメントをありがとうございます。おや、府中市美の「長谷川利行展」、行かれましたか。この画家は、ご多分に漏れず僕も、洲之内徹さんの『気まぐれ美術館』で出会って、その存在を知りました。府中に行ってきますね。
ミニヨン
2018/06/13 02:02

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